日々の思いを短歌に  

あしかび短歌会は、初心者からベテランまで十数人で、毎月新作の発表と勉強を行なっています。メンバーはシニアネット仙台の会員で、わいわい楽しい歌会です。気楽に参加してみませんか。見学も自由です。

 

 場 所  シニアネット仙台「一番町サロン」

 日 時  毎月 第三土曜日 13:30〜15:30

 会 費  毎月 500円(会員のみ)

 

     あしかび(葦牙)とは、葦の若芽です。

 

  水の辺の葦牙のごと萌えあがる歌詠み続け齢重ねん   章

 

 

令和六年 四月の歌会より

春風にそよげるみつば摘む朝アロマセラピーしている気分   笹谷 逸朗

砂浜を夢見し母と散歩して拾いし貝は心の宝         水すまし

温暖化それに加えて戦争もやがて地球は荒れ野の星か     イタヤンマン

水仙や梅に菫と山茶花も木蓮にさえも勝るる桜かな      山羊

雑草は寂しがり屋か次々に仲間を増やし庭を占領       小町

日に三度食後の薬増えたれど孫のラインは心に即効      いつつばし

大相撲百十年の時を経て土俵が揺れてゴジラ目覚める     かつゆき

ベガルタのやっとのシュートに総立ちす春の夜空に歓声抜ける 晴

死んだふりしていた紅葉が甦り大空に向かい背伸びしている  初ちゃん

春うらら心うき何処へ行こうか脚はやっぱり君の別荘     まさこ

パサパサと落ちては溶ける春の雪植えたての芋冷たかろうに  えいちゃん

五十肩首肩が病み彩ちゃんの程よいもみに気力が湧く     ヒカル

 

令和六年 三月の歌会より

白梅の香り運びし吹く東風に願いの絵馬がカタカタと鳴る   えいちゃん

生の牡蠣ボイルした牡蠣併せ食い生ビールあれば何も言わない 笹谷 逸朗

買い物も畑も釣りも相棒はコスパ抜群世界の軽トラ      いつつばし

使い切る命も金も何時迄か分かっていれば苦労はしない    初ちゃん

下半身ポールに頼り歩く身も叶えたき夢まだ多くあり     水すまし

新雪の帽子冠った山茶花の色あでやかで明日を願う      山羊

すれ違う可愛いチビに手を振ればビックリ嬉し投げキスされて イタヤンマン 

農作の人を思って米袋の底をはたいて残さずついた      小町

真っ青な空を見上げて風食す梅と桜の香りをあてに      かつゆき

ワイワイと墓参した日もあったっけ今年一人で草引きをする  晴

チャイム鳴る袴姿で微笑むは卒業式の隣家の少女       まさこ

三月は明るい陽射し柔らかし輝く旅へ大きなl呼吸       ヒカル

 

令和六年 二月の歌会より

寒空にプカプカプカと白い雲南に流れ春来る予感      かつゆき

娘は母にレシピ聞かずにスマホ見るチンで完結簡単料理   晴

老木の頼りなき幹に我写し弐参の蕾に新春の誓い      山羊

東京は八センチの雪通学に滑って転んで孫嬉しがり     ヒカル

古来から暮らし支えたにぎり飯人気高まり海外進出     水すまし

帰り道夜空に光る星ひとつ母が見守るそんな気がした    イタヤンマン

朝日には心も体も照らすのか強い力が生まれるものだ    初ちゃん

我が脳に入れた記憶は八十年出口狭まり出てこぬ名前    いつつばし

そよ風に枯草の下つくしんぼふたつ並んで春の喜び     縁寿

仏壇に供えし南天あたたかく育てし写真の母が喜ぶ     えいちゃん

シニアネットで食べる昼飯なぜ進むお喋りも又美味しいおかず   笹谷 逸朗

「紅白」を家族で見ていたあの頃は私の大取「ひばりちゃん」だけ 小町

 

令和六年 一月の歌会より

真冬日に味わう温もり鍋料理体の芯まで届く幸せ      水すまし

反撃の術なき民に降り注ぐ爆弾の嵐黙視するのか      笹谷 逸朗

露天風呂つかれば静かに朝ぼらけ墨絵のような雪の最上川  小町

冬晴れの屋根に上れば銀世界見とれて暫し雪掻き忘れ    いつつばし

古都京都つなぎつないで走りぬく全国一位宮城の乙女    かつゆき

もし針を元に戻せばあんなこと避けられたのか祈るともしび ヒカル

リビングに薄紅色のシクラメン友にもらったときめきの色  イタヤンマン

末孫の最後の七五三願うは三三九度まで寿命のばして    山羊

広々と刈田のひとすみ水満ちて芹田は青く春を寿ぐ     まさこ

正月に地震で荒れる日本海祝いの餅も悲しみ沈む      縁寿

この春は旅立つ君の惜しきかな次咲く処に思い巡らし    えいちゃん